静止画から動画を作るのは難しそうですよね? でも、アイリアSDKを使えばLivePortraitモデルを簡単に試すことができます。
この記事は、以下のような方におすすめです:
- ポートレート画像にリアルな動きを付けたい方
- 静止画を動かしてアニメーション化してみたい方
- プログラミング初心者でAIに興味がある方
本記事では、Apple Silicon搭載Macを使い、Pythonで環境構築からLivePortraitモデルの実装までを約15分で行う手順を解説します。

1. アイリアSDKとは?
AIモデルの実装を簡単に行えるSDKです。以下の特徴があります:
- 高速な推論エンジンによる、スムーズな実行
- 画像認識、物体検出、アニメーション生成など、370以上の豊富な事前学習済みモデル
- Mac、Windows、Linux、組み込みボード(Jetson、Raspberry Pi)まで対応したクロスプラットフォーム
- 多言語対応(Python/C++/Unity(C#)/Java/Kotlin/Rust/Flutter)
- GPU対応(CUDA、Vulkan、Metal)
2. 環境構築(所要時間:約1分)
動作条件
- Python 3.6 以降
インストール手順
- まず、アイリアSDKをインストールします:
pip3 install ailia
- サンプルコードをダウンロードして、移動します:
git clone https://github.com/axinc-ai/ailia-models
cd ailia-models - 必要な依存ライブラリをインストールします:
pip3 install -r requirements.txt
3. LivePortraitモデルとは?(所要時間:約2分)
- 概要:
- LivePortraitは、静止画のポートレートに動きを与えるAIモデルです
- 入力として「元となる静止画」と「動きの参照となる動画」を使用します
- 出力は元の静止画が動画の動きに合わせて動くアニメーション動画です
- 顔の表情や動きを自然に再現し、あたかも静止画の人物が動いているような効果を生み出します
- 特徴:
- ポートレート画像に高品質なアニメーション効果を付与
- 少ないリソースで効率的に動作
- 顔のランドマーク検出と動き抽出を組み合わせた独自技術
- 顔の特徴を保ちつつ自然な動きを実現
4. LivePortraitの実装(所要時間:約10分)
- 環境準備:
- ailia-modelsリポジトリ内の該当フォルダに移動します:
cd generative_adversarial_networks/live_portrait
- ailia-modelsリポジトリ内の該当フォルダに移動します:
- サンプル実行:
- 以下のコマンドを実行します。初回実行時は、ONNXファイルとprototxtファイルの自動ダウンロードが行われるため、多少時間がかかります:
python3 live_portrait.py
- 成功すると、サンプルの静止画(s6.jpg)がサンプル動画(d0.mp4)の動きに合わせて動くアニメーション動画が生成されます。
- 以下のコマンドを実行します。初回実行時は、ONNXファイルとprototxtファイルの自動ダウンロードが行われるため、多少時間がかかります:
- カスタム実行:
- 自分の画像と動画を使いたい場合は、以下のオプションを使用します:
python3 live_portrait.py --input SOURCE_IMAGE --driving DRIVING_VIDEO --savepath SAVE_VIDEO_PATH
- 例えば、「my_portrait.jpg」の静止画を「head_movement.mp4」の動きに合わせて動かし、「animated_portrait.mp4」として保存する場合:
python3 live_portrait.py --input my_portrait.jpg --driving head_movement.mp4 --savepath animated_portrait.mp4
- 自分の画像と動画を使いたい場合は、以下のオプションを使用します:
- その他のオプション:
- Webカメラやビデオファイルを入力として使用する場合:
python3 live_portrait.py --video VIDEO_PATH
- Webカメラを使用する場合は、VIDEO_PATHに0を指定します:
python3 live_portrait.py --video 0
- 元画像、参照動画、生成動画を一画面に表示する場合:
python3 live_portrait.py –composite
- Webカメラやビデオファイルを入力として使用する場合:
5. 実用上の注意点
- リソース管理:
- 初回実行時のファイルダウンロードには、ストレージの余裕と安定したインターネット接続が必要です
- メモリ使用量が多いため、処理には時間がかかる場合があります
- 入力画像について:
- 顔が明確に写っている正面向きの画像が最適です
- 顔の特徴がはっきりと見える画像ほど良い結果が得られます
- 極端な表情や角度の画像は結果が不自然になる場合があります
- プライバシーへの配慮:
- 個人の画像を使用する場合は、事前に同意を取得してください
6. まとめ
わずか15分でLivePortraitモデルを実装し、静止画に動きを与えることができました!
アイリアSDKの使いやすさと高速な推論エンジンにより、複雑なAIモデルも簡単に扱えることがお分かりいただけたと思います。この技術は、メディアコンテンツ制作、エンターテイメント、SNSコンテンツなど様々な用途に活用できます。
「高速」「使いやすさ」「豊富なモデル」を特徴とするアイリアSDKは、AIを実装する際の強力なツールです。ぜひ、ご自身のプロジェクトでLivePortraitを試してみてください!
7. 参考リンク

土橋克寿
証券会社、ビジネス誌副編集長を経て2013年に独立。欧米中印のスタートアップ取材や、各国首脳・テック企業幹部へのインタビューを多数実施。Yahoo!ニュース エキスパートなど国内外メディアで執筆。2018年より株式会社クロフィー代表取締役として、AI開発・PRコンサルティングなどを手掛ける。
https://news.yahoo.co.jp/expert/authors/dobashikatsutoshi
https://x.com/dobatty