双子が生まれた。
この喜びの瞬間から、私の日常は激変しました。ミルク16本、オムツ20枚、睡眠3時間という、まるでサバイバルのような日々がスタート。想像以上にハードな毎日に「これはさすがに無理ゲー……」と感じていました。
双子が生まれました!
— しょーてぃー (@shoty_k2) June 3, 2025
元気に生まれてきてくれた子どもたち、そして命懸けでがんばってくれた妻に心から感謝です。嬉しい気持ちで胸がいっぱいです。
もちろん子育てにも、AIをフル活用していきます🤖新米パパ、頑張ります!仕事については... pic.twitter.com/C9mnnq9xiH
でも、そんな状況だからこそ思ったんです。
「どうせ手も時間も足りないなら、徹底的にAIを活用するしかない」と。
この記事では、コードがほぼ書けない非エンジニアの私が"AIネイティブ育児"を実践したリアルな体験をお伝えします。
育児は特殊なシチュエーションですが、「忙しくて手が回らない」「時間が足りない」と悩んでいるあなたにも必ずヒントになるはずです。
極限状態“双子育児”とは?24時間が秒で消える生活
双子が生まれた喜びは一瞬でした。実際の生活は子どもに癒やされながらも、想像を遥かに超えた忙しさです。ミルクを作って飲ませて、オムツを替え、ようやく横になれたと思えば、すぐに泣き声が聞こえて次の授乳が待っています。気づけば1日が終わっています。
気づいたら、自分の中の興味や好奇心が消え始めていました。
そして、「これじゃ子育ても楽しめないし、自分の仕事も回らん! 家族で幸せになれへん」と頭を抱えていました。
「限界」をチャンスに変える
極限状態の中で、ふと気づきました。「本当に追い込まれたときこそ、これまでのやり方を大胆に変える絶好のチャンスだ」と。
そこで私は、「ながら作業」と「お任せ作業」という2つのAI活用法を取り入れ、AIネイティブな生活にアップデートしていくことにしました。
AIネイティブ生活術は「ながら」×「おまかせ」!
日々の忙しさを解消し、家族や自分の余裕をつくるのが「ながら作業」と「おまかせ作業」を組み合わせたAIネイティブな生活術です。24時間を36時間にする生活イメージかもしれません。

1. 「ながら作業」で人間の能力をフル活用(Human-Parallel)
両手がふさがっても他の体のパーツは残っています。例えば、子どもをあやしながら音声入力、ベビーカーを押しながら勉強。手・耳・目・口を同時に使い、一度に複数のことを進めます。
2. 「おまかせ作業」でAIに24時間働いてもらう(AI-Parallel)
例えば、自分が寝ている間にAIがデータを整理し、レポートを作ってくれる。昼間手が回らない作業を、AIが裏でコツコツ進めてくれる仕組みです。
この「ながら×お任せ」の二重体制によって、心や体に余白が生まれ、好奇心や問いを持ち続けるエネルギーが維持されます。
育児にこれらを取り入れた生活が、AIネイティブ育児。子どもだけでなく、親自身の成長やスキルアップにもつながります。
実際にOpenAI CEOのSam Altman氏も、特に子供が生まれた最初の数週間はChatGPTを育児の相談に頻繁に利用していたといいます。
やってみたハイライト
ここからは、AIネイティブ育児を実践している中で、実践した例をいくつか掻い摘んで紹介します。
朝イチでWBGTと育児ログをAI通知
ChatGPTのタスクスケジュール機能を使って熱中症リスク指数(WBGT)情報を毎朝自動で取得してお知らせ。その日の子どものお散歩時間の計画に役立てています。

さらに、育児アプリから自動でデータベース登録させAIに読み込ませることで、昨日の育児データの分析・アドバイスをLINEで自動通知してもらっています。


また、このデータをもとに子どもの発達段階に関する質問をすることもできます。
上記のシステムはAnthropic社のClaude CodeやGoogle社のGemini CLIを使って”Vibe Coding”で構築。PCに長時間触れる機会は少ないため、スマホでも作業ができるよう工夫しています。深夜やスキマ時間をフル活用しました。
※Vibe Coding:人間が自然言語や音声でAIに指示を出し、AIがその意図を解釈してコードを生成するスタイル。従来のプログラミングとは異なり、直感的で創造的なアプローチ。
絵本読み聞かせの「なぜ?」をAIで瞬間学習
絵本の読み聞かせ中、子どもがブロッコリーに興味を示した。私はふと「ブロッコリーってなんでモコモコなんだ?」という疑問を抱きました。

すぐにAIで音声対話して「ブロッコリーはフラクタル構造で、限られたスペースに多くのつぼみを効率よく配置できる」という答えが返ってきました。
それ以外にも、子どもの散歩、寝かしつけや授乳中もAIと話しながら、あらゆることにキャッチアップしています。


子どもの視点から疑問を持ち、それをAIと学ぶ体験は大人にとっても新鮮です。
大切な予定を逃さない
散歩していると地域の掲示板に盆踊りのお知らせがありました。

子どもたちにたくさん刺激が与えられるかもしれないと思い、写真をとってAIでカレンダーに即時登録しました。


もちろん、歩きながらの音声入力です。
AIを使ったこれらの事例を読んで、『でも自分にはできないかも』と思ったあなた。そんなあなたのために、次の章では非エンジニアでもAIを簡単に活用するためのポイントをお伝えします。
非エンジニアでもAI活用するためのコツ
■自分は最強エンジニアだと一時的に思い込む
「できない」と思わず、自分を一時的に最強のエンジニアに転生したと思い込んでみてください(笑)。気づかぬうちに思考の制約を自分自身にかけてしまっていることがあります。
AIを単なるツールと捉えるだけでは、その真価を引き出せません。これは生成AI推進をやっていて、AIをうまく活用できない方によく見られる傾向でもあります。
■やりたいことを言葉にする
そして転生したあとは、自分がやりたいことをAIに言葉にして伝えてください。「ちゃんと伝えられているのか不安」と思う方は、以下の指示をつかってみてください。
ベストパフォーマンスを発揮するために、不明点や不足点があれば必ずプロアクティブに質問してください。
小さな成功体験を積み重ねることで、次の挑戦への自信につながります。目に見えるものがすぐに出来上がる即時性はAIの得意分野です。
これまで500名以上の子どもに生成AIワークショップを実施してきましたが、大人より自分の”やりたい”、”つくりたい”を素直に伝えられる子もいました。

これからの時代は、自分が必要とするものをその場でオンデマンドに作る機会が増えるでしょう。そのためには、自分の考えやこだわりを持つ力、伝える力、そしてそれを実際にAIを使って形にする力がますます重要になってくるのではないでしょうか。
まとめ
双子育児という極限状況だからこそ、AIの本質的な価値を改めて体感できました。心や体に余白を作り、好奇心を保つことは、育児をするご両親だけでなくパフォーマンスをあげるビジネスマンにとっても大切なことです。
AIネイティブな仕事のやり方や生き方について気になる方は、ぜひ私のSNSも覗いてみてください。
X : https://x.com/shoty_k2
note : https://note.com/shoty
次回は『体をフル活用!AIネイティブ流ながら作業術』を詳しく紹介します。今回お伝えした「ながら作業」の具体的なテクニックや、両手がふさがっていても生産性を上げる方法を実体験をもとにお届けします。お楽しみに!

川村将太(“しょーてぃー”)
経済学部を卒業後、新卒で事業会社に入社。UXデザイナーとして、戦略やマーケティングに重点を置いた体験設計を担当。現在は、大手自動車IT関連会社の全社AI戦略の策定と推進を手掛ける。並行して、フリーランスのExperience Designerとして、AI関連の講演、新規事業のアドバイザリー業務、研修も行い、その知見を広く共有。企画・デザインプロセスにおける生成AIの活用や、AIと人とのこれからの新しい体験設計にも取り組んでいる。その他にも500名以上の子どもに生成AIワークショップを開催。
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