【イベントレポート】2024年4月末に開催された「Japan IT Week 2024 春」。パートナー企業9社のブースの様子をお届け/前編

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ailia.AI 編集部

2024年4月24日から26日まで、東京ビックサイトにて「Japan IT Week 2024 春」が開催されました。生成AI活用やDX推進、情報セキュリティ、IT運用管理、マーケティングDX、店舗・EC向けサービスなど、AIやIT関連におけるさまざまなジャンルの企業・サービスが約900社集結する日本最大級のITの祭典です。今回、9社のパートナー企業が製品紹介にAxellおよびax Inc.の商品を組み合わせて展示してくれました。本レポートでは、各ブースでの施策を企業担当者の声とともにお届けします。

「組込み/エッジコンピューティング展」では、「VIA Technologies Japan株式会社」「V-net AAEON株式会社」「Toradex Japan株式会社」「株式会社アイ・エス・ビー」「ダイナコムウェア株式会社」の5社が出展し、GPUやSoCを利用した組み込みシステムやエッジAI、エッジとクラウドが連動したサービス・ソリューションなどを展示しました。

VIA Technologies Japan株式会社

業務の安全性と効率性を変革するインテリジェントな自動車をはじめ、エッジや産業、ビルディングソリューションに、より高度なAI、IoT、コンピュータビジョン技術とビジネスを結び付ける世界的企業「VIA Technologies Japan株式会社」。同社の製品、MediaTek Genio 700 オクタコア プロセッサを搭載したエッジAIプラットフォーム「ARTiGO A5000」をデモ機に、ailia for MediaTekの展示を行いました。

「ボードやゲートウェイを扱うメーカーとして、多くの製品に『MediaTek』製のSoCを採用しているのですが、AI向けのAPUをうまく動かせる人はまだまだ少ない状況。しかし、Axell社はAIに関するノウハウをはじめ、こうした製品を具現化することに優れた企業のため、協業することでAPUを使ってより速くパフォーマンスの優れたかたちでモデルを動かすことができています。今回の展示でも多くのお客様から『こんなに速く動くんだ』といった驚きの声もあがっていました。多くのIT系企業がそうであるように、当社もIoTにはじまり、AIなど最新の情報を吸い上げ、その情報をどう展開していくかというフェーズに突入しています。クラウドからエッジにシフトしつつある昨今、エッジコンピュータをいかに効率よく動かすかという点が、これからの大きな課題になってくると考えています(セールスマネージャー・小間拓実さん)」

V-net AAEON株式会社

「時代に合った組込みコンピュータと、カスタマイズ力」をキーワードに、コンピュータおよびハードウェアシステム開発やデバイスの販売を通じて産業界の活性化に貢献する「V-net AAEON株式会社」。「ailia SDK(アイリア SDK)」を標準搭載したエッジコンピュータ「BOXER-8641/BOXER8640」なども手掛ける同社は、実機の展示をはじめ、最新のAI DXアプリ「ailia DX Insight(アイリア ディーエックスインサイト)」のデモンストレーションなどを行いました。

「当社は主にハードウェアのプラットフォームを手がけるメーカーで、AIエッジコンピュータの開発・販売などを行っています。その際に重視しているのは、お客様の手元に届き、電源を入れてすぐにAIが使えるようなサービスとして提供すること。そのためにも、Axell社のソリューションである『ailia SDK』を我々の製品に組込むことは不可欠で、協業することではじめてお客様にお届けすることができている状況です。コロナ禍の少し前から世の中に浸透しはじめたAIですが、業界はいまやPoC(Proof Of Concept略。試作開発に入る前の検証を意味する)から量産へと移行するフェーズに突入しています。これまではPCにGPUを搭載して動かしていたものが、今後は工場などの過酷な環境でも長期安定で動作することが求められるようになり、AIエッジコンピューティングというキーワードはますます避けて通れないものになるでしょう(代表取締役・矢崎秀夫さん)」

Toradex Japan株式会社

設立から20周年を迎えた「Toradex」は、スイス・ルツェルンに本拠地を構えるIT企業で、「Toradex Japan株式会社」は同社の日本ブランチとして発足。小型でピン互換の組込みコンピューティングソリューションを筆頭に、独自に開発したコンピューターモジュールは、さまざまな分野の産業において活躍。同社の製品にもailiaブランドのソリューションは活用されており、今回のイベントでは「ailia for NXP & Toradex」の実物展示を行い、注目を集めました。

「ハードウェアの開発のみならず、弊社の8割〜9割のエンジニアがソフトウェアの開発を担当する企業として、世界中の幅広い産業の分野にIoTソリューションなどを提供しています。今回のイベントではNXPを搭載した『Verdin iMX8M Plus』というコンピューターオンモジュールを展示しており、NPUを使用する組込み向けのAI推論フレームワークとして、Axellの『ailia for NXP & Toradex』を採用しています。Axellのソフトウェアと弊社のハードウェアを組み合わせることで、市場に新たな可能性を切り開いていければと思います。日本に限らず、世界中でエッジAIコンピューティングは注目を集めており、当社としてもセミカスタムソリューションのカテゴリを強化して提供していきたいと考えています(代表取締役社長・ガルシア アルバロさん)」

株式会社アイ・エス・ビー

ソリューション事業において、業務系をはじめ金融、車載、医療における組込み系システムを提供するなど、上流工程から下流工程まで幅広い分野でソフトウェア開発を行う「株式会社アイ・エス・ビー」。同社は、マルチデバイス開発・組込み機器開発やアプリケーション開発向けのクロスプラットフォームアプリケーション・UIフレームワーク「Qt(キュート)」を展示。この『Qt』による産業機器向けSoC「AG903」で動かすための専用モジュールは、Axell社との協業により開発したものです。

「弊社グループは約2,000名のエンジニアがソフトウェア開発に従事しており、その半数ほどが組込み関係の業務を担当しています。特に、この十数年はモニタなどの表示系ソリューションに注力しており、今回展示をした『Qt』は、まさにその代表的なものです。小さいモニタから大型モニタまで、さまざまなサイズの機器に取り入れられ、自動車関連にも採用されています。Axell社はもともとグラフィックスに強い企業ということもあり、この製品を通じて協業をいたしました。特に『Qt』は特殊なグラフィックチップのため動かすことが難しかったのですが、Axell社と専用のモジュールを開発することで産業機器向けSoC『AG903』上でも問題なく動かすことができるようになっています。こうした機器は、現在医療関連、工業関連といった分野からの引き合いが非常に多い状況です。表示機器も含めたアプリ開発という観点では、今後、他分野からのお声がけも増えるのではないかと期待しています。(営業本部・宮崎智成さん)」

ダイナコムウェア株式会社

アジア最大手の“フォントベンダー”として「DynaFont(ダイナフォント)」ブランドを展開する台湾の企業「ダイナコムウェア株式会社」も出展。フォントのパイオニアとして、組込み機器などで表示される、目にやさしく視認性にも優れた“機能的な文字”を提供しており、取り扱う文字の種類は世界中の文字を自社で開発しているといいます。ブースではAxellの産業機器向けSoC「AG903」を取り入れたデモンストレーションが行われていました。

「印刷物からアプリまで、あらゆるものに表示される文字を取り扱っており、遡るとワープロの時代からフォントの開発を行ってきました。ドットで表示される荒い解像度の白黒液晶からタブレットのような最新の機器まで幅広く扱ってきた実績があるため、こうした組込み機器で表示される文字についても知見があり、非常に強いベンダーだと自負しています。Axellとは産業機器向けSoC『AG903』を通じた画面表示のデモを数年前から取り組んでおり、単に文字だけでなく、ハードウェア側の視点など幅広い角度から文字の開発に取り組むことで、組込み機器向けのフォントをはじめ今後さらに広いジャンルでのニーズも模索していけるのではと期待しています(法人営業・三島竜輔さん)」

後編では「IoTソリューション展」と「IT運用管理&データセンターEXPO」に出展したパートナー企業のブースについてお届けします。

リンク

Japan IT Week
https://www.japan-it.jp

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