生成AIの進化により、私たちの生活には便利なチャットボットやデジタルアシスタントが溢れています。しかし、それらの多くはPCやスマートフォンを経由して、常にインターネットとつながっていなければ利用できません。そうしたなか、アイリアが開発を進める「おしゃべりAIエージェント」は、今後の完全スタンドアロン化により、AIエージェントの次のフェーズであるフィジカルAIへと進化しようとしています。今回は、アイリアが開発を進める、ぬいぐるみ型AIエージェント「あいにゃん」を例に、その最新動向をご紹介します。
※本記事はアイリアの製品およびサービスを紹介するPR記事です。
これまでの「あいにゃん」と、新しいおしゃべりAIエージェント「あいにゃん」のちがいは?
「あいにゃん」は、アイリア株式会社が開発している、ぬいぐるみ型の「おしゃべりAIエージェント」です。PCやスマホ画面上のアバターではなく、実体のある「ぬいぐるみ」として存在し、ユーザーと対話を行うのが最大の特徴です。開発には、Unityを活用したコンテンツ開発に定評がある「おなかソフト(代表:伊藤 周氏)」とアイリアが共同で取り組み、独自のAI推論エンジン「アイリアSDK」とUnityを組み合わせて作られています。
これまでの「あいにゃん」の主な特徴
・音声認識(Speech To Text)
高精度な音声認識エンジン「アイリア AI Speech」を使用し、ユーザーの話しかけた言葉をデジタル処理し、テキストデータに変換。
・AI応答生成(LLM+RAG)
得られたテキストをChatGPTなどの大規模言語モデル(LLM)に送り、文脈に沿った適切な回答を生成。必要に応じて社内のデータベースから情報検索するシステム(RAG)を組み込む。
・音声合成(Text To Speech)
高品質な音声合成エンジン「アイリア AI Voice」で自然な音声を生成。AIが考えた回答文を音声に変換する。
・発話(スピーカー出力)
音声をスピーカーから発し、ユーザーに対して口頭で回答。ぬいぐるみロボットや画面上のアバターなどに動きを加え、そのキャラクターが話しているかのように表現する。
これまで「あいにゃん」は専用タブレット(iPad)を頭脳として動いており、処理の一部や情報の更新にはWi-Fiなどのネットワーク接続も必要でした。しかし、これから目指すのは、まったく逆。AI処理に特化した専用のチップへ頭脳を移し、ネットにつながらなくても動く「完全スタンドアロンのAIエージェント」を目指しており、今後はフィジカルAIとしての展開も視野に開発を進めています。
※フィジカルAIとは
ソフトウェア上で完結するAIではなく、ロボットや機械、センサーなど、実態を持つ装置と結びつけることで、現実世界を認識・判断・動作するAIの総称です。視覚・触覚・力覚などの情報を統合しすることで、環境に応じて自律的に行動できるのが特徴。製造業の自動化、物流ロボット、介護・医療支援、建設、農業などで活用が進んでいます。近年は生成AIや強化学習と融合し、“考えて動く機械”として人と協働する存在として注目を集めています。
「つながらない」ことが、いちばんのセキュリティになる
クラウド全盛の時代に、なぜあえて「ネットに繋がない」道を選ぶのか。そこには、逆転の発想と合理的な戦略がありました。
まず、スタンドアロン化がもたらす最大のメリットは、「セキュリティ」です。多くのAIアシスタントは、音声データをクラウドに送って処理します。便利ですが、会議室や病院、役所のような場所では「外部にデータが出ること」自体が問題になることも少なくありません。
そこであいにゃんは、外部と通信しないスタンドアロン型を採用。たとえば病院の受付で、顔認証や問診を行っても、その情報がインターネットに流出することはありません。すべて本体の中だけで処理が完結するため、「情報漏洩のリスクが物理的に存在しない」と断言できるのです。これは、セキュリティポリシーが厳しいB2B領域において、何物にも代えがたい安心材料となります。「情報が外に出ない」ことは、最大の安全対策なのです。

もう一つの利点は、使いやすさです。Wi-Fi設定やアカウント登録など、煩わしい設定は不要で、コンセントに電源プラグを挿すだけですぐに動きます。通信遅延の影響も受けないため、まるで人間同士の会話のようなリアルタイムなレスポンスが実現できる点も、スタンドアロン化の大きな恩恵といえるでしょう。
この「家電のような手軽さ」こそが、AIをより広い層へ普及させるための鍵だとアイリアは考えています。
AIが画面を飛び出す。「GPIO」で物理世界をハックする
スタンドアロン化したあいにゃんには、もう一つ重要な機能があります。それが「GPIO」と呼ばれる端子です。「General Purpose Input/Output」の略で、マイコンなどのICチップに搭載されている、多目的なデジタルピンこと。電気のON/OFF信号を出し入れでき、モーターやライト、サイレンなどを直接動かすことが可能です。
既存のスマートスピーカーは、API連携に対応した最新のスマート家電しか操作することができません。しかし、新しいあいにゃんなら、端子が接続できれば、あらゆる機器に対応できます。たとえば、山の中の畑でカメラがクマを検知した瞬間にサイレンを鳴らす。工場の生産ラインにおける異常を検知してランプを点灯させる、といったことも可能に。特にレガシーな設備が残る現場で、さまざまな活用が模索されています。
スマートスピーカーがインターネットの向こう側にある情報を取ってくる「検索係」だとしたら、GPIOを手にしたあいにゃんは、物理世界のスイッチを自らの手で押しにいく「現場作業員」のような存在になれるのです。
「ぬい活」から「接客」まで。情緒的価値とハードウェアの進化
B2B領域での実用性だけでなく、B2C(一般消費者向け)領域においても、スタンドアロン化は新たな文化を創出する可能性を秘めています。最近は「ぬい活」といって、ぬいぐるみを連れて外出する人も増えていますが、スタンドアロンでバッテリー駆動できるあいにゃんなら、キャンプや旅行に連れて行き、いつもと変わらないお喋りを楽しむことが出来るようになります。
さらに、ハードウェアとしての表現力も進化を続けています。これまでのあいにゃんはカメラを持っていても、それを「見る」ことだけに使っていました。しかしこれからは、「誰がいるか」を認識することを目指しています。
たとえば、展示会のブースで、カメラに名刺をかざすとOCR(光学文字認識)で名前を読み取り、名指しで挨拶をしたり、人の顔を追いかけて、物理的に視線を合わせたり。データベースから人の顔や名前を覚え、「〇〇さん、こんにちは」と声をかけたり。
特にぬいぐるみと目を合わせて会話することのインパクトは絶大。単なる機械ではなく、生き物としての存在感を感じさせる、情緒あるコミュニケーションが、スタンドアロン型「あいにゃん」の大きな武器になります。

将来的には、目の部分に小型ディスプレイを埋め込んで表情の変化を豊かにしたり、首や体をモーターで動かして頷いたりするといった、非言語コミュニケーションのさらなる深化も構想されています。これらはすべて、あいにゃんが画面の中だけの存在ではなく、私たちと同じ空間を共有する「フィジカルなパートナー」になるために必要な進化なのです。
アイリアが目指す「簡単に組み込めるAIエージェント」の未来
もちろん、障害がなかったわけではありません。意外な壁は、あいにゃんの声でした。通常のロボットであれば、あらかじめ録音したセリフだけを再生するので問題になりませんが、AIでは、生成した文章を自由に読ませることができます。製品化の前例もまだ少なく、権利関係が非常に厳しくなるのです。今回は信頼関係のもと、協力してくれる声優がなんとか見つかり、実現することができました。
そんな困難を乗り越え、開発が進むアイリアのAIエージェント、あいにゃん。今回のプロジェクトで特筆すべきは、これらの進化が、安価で入手しやすいチップセットと、アクセルが提供する「アイリア SDK」の組み合わせによって、これまでよりも手の届きやすい価格で実現できる点です。
これまでは、オリジナルのAIロボットを作ろうとすれば、莫大な開発費とクラウドサーバーの維持費が必要でした。しかし、アイリア SDKと汎用チップセットを組み合わせることで、想定販売価格は、なんと約16万円以上から7〜8万円程度まで減少させることができました。
AndroidやUnityベースでの開発が可能になれば、多くのエンジニアが自分の手で「物理世界に干渉するAI」を開発し、世に送り出すことができる時代がすぐそこまで来ています。
重要なのは、これは、あいにゃんという特定のキャラクターだけの話ではないということです。筐体となるぬいぐるみの見た目をオリジナルにカスタムすれば、企業の公式キャラクターやご当地キャラ、テーマパークのマスコットも実現可能。企業の独自データを読み込ませることで、その会社専用の製品紹介や、社内ルールを答えるエージェントに仕立て上げることができます。つまり、あらゆる存在に「魂」を吹き込み、物理世界で活動させることができるのが、アイリアのAIエージェントなのです。
これからのAIは、画面の中で質問に答えるだけの受動的な辞書ではなく、物理的な空間で共に過ごし、こちらの状況を察して環境を制御してくれる能動的なパートナーになっていく。それがアイリアの目指す「AIエージェント」の未来です。
クラウドを捨て、ケーブルを断ち切り、物理世界へと降り立ったあいにゃん。その小さな身体には、セキュリティ、IoT、そしてエモーショナルな体験といった、次世代のAIエージェントに必要な要素がすべて詰め込まれています。2026年1月中には、これらの機能を統合した完全スタンドアロン版のデモ機が完成する予定。デジタルの賢さと、フィジカルな温かみを兼ね備えた「あいにゃん」の誕生に、ぜひご期待ください。
まずは、WEBからお問い合わせを
介護や医療、研究機関、企業のDXまで。人手不足の解消やサービス品質の向上はもちろん、オリジナルキャラクター活用によるブランド価値の向上まで、幅広いメリットをもたらします。
資料のご請求やご質問は、アイリア公式サイトより対応させていただきます。
まずはお気軽にお問い合わせください。
※本記事はアイリアの製品およびサービスを紹介するPR記事です。
【商標および免責事項】
・Unityは、米国およびその他の地域におけるUnity Technologiesまたはその関連会社の商標または登録商標です。
・iPadは、米国およびその他の国で登録されたApple Inc.の商標です。
・Androidは、Google LLCの商標です。
・Wi-Fiは、Wi-Fi Allianceの登録商標です。
・ChatGPTは、OpenAIの商標または登録商標です。
・その他、記載されている会社名、製品名は、各社の登録商標または商標です。
・本記事に掲載されている製品(あいにゃん)の仕様、デザイン、価格、リリース時期等の情報は記事公開時点のものであり、開発状況により予告なく変更される可能性があります。あらかじめご了承ください。
おなかソフト 伊藤 周 氏
Unityコンサルタンティング業務やVRゲーム開発を行う企業「おなかソフト」の代表取締役。Unityを学ぶ環境と居場所を提供し、これらの機会創出を目的に活動する子どもたちのための「恵比寿Unity部」なども展開。子ども達の自主性を最優先とし、Unityに限らずやりたい事ができる環境と居場所を提供している。











